米大統領選の共和党候補トランプ氏陣営のポール・マナフォート選対本部長。7月18日、オハイオ州クリーブランドで共和党全国大会の開会前、会場で撮影=AP
米大統領選の共和党候補トランプ氏のポール・マナフォート選対本部長が、親ロシア派のウクライナ前政権側から巨額の現金を受け取っていた可能性があると、15日付の米ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。マナフォート氏は受け取りを否定している。
報道によると、親欧米路線のウクライナ政府が設けた汚職対策機関が、2014年の政変で失脚した親ロ派のヤヌコビッチ前大統領の出身政党のものとされる「帳簿」を入手。その中にマナフォート氏の名前が22カ所あり、07~12年の間に計1270万ドル(約12億8千万円)の支払いを示す記述があったという。マナフォート氏は当時同政党のコンサルタントを務めていたが、実際に現金を受け取ったかは不明という。
報道を受け、マナフォート氏は「私が現金を受け取ったという示唆は事実無根だ」との声明を出した。ウクライナやロシアの政府のために働いたこともない、とも主張している。
マナフォート氏は今年3月にトランプ陣営に加わった。トランプ氏はロシアのクリミア半島併合を認めるかのような発言をしたり、北大西洋条約機構(NATO)を批判したりと、従来の米大統領候補よりロシア寄りと指摘されてきた。この意味で、今回の選対幹部の過去を巡る報道も注目を集めている。(ニューヨーク=金成隆一)