週末に終夜運転を始めるセントラル、ビクトリアの2路線が交わるオックスフォードサーカス駅=ロンドン、石合力撮影
ロンドン地下鉄の一部路線が19日から週末(金、土曜日)の終夜運転を始める。ロンドン交通局(TfL)によると、大みそか以外の定期ダイヤで24時間運転をするのは明治維新前の1863年(文久3年)の開業以来、初めて。パブで酒を楽しむ人だけでなく、シフト勤務者らにも歓迎されそうだ。
終夜運転はまずセントラル、ビクトリアの2路線で始め、秋にはヒースロー空港に直結するピカデリー線のほか、ジュビリー、ノーザンの計5路線に拡大する予定。当初の運転間隔は約10分。運転区間が限定される路線もある。防犯対策で夜間の主要駅に交通警官約100人を配置する。TfLは、終夜運転に伴う経済効果を今後30年で3億6千万ポンド(約471億6千万円)と見積もっている。
ロンドンでは、ナイトバスと呼ばれる深夜バス路線があり、毎日、終夜運転している。地下鉄の終夜運転に対応して、バス8路線も新たに週末の終夜運転を始める。深夜に移動する人は年々増えており、深夜バスの利用者数は2000年の1・7倍。バスに比べ、深夜の移動時間が平均20分短縮されるという。
大都市の地下鉄では、ニューヨーク、シカゴ、ストックホルム、コペンハーゲン、ベルリン、シドニーなどで毎日または週末に終夜運転しているほか、パリでも導入を計画している。(ロンドン=石合力)