記述式問題をめぐる国立大学協会入試委員会の論点整理
国立大学協会(国大協)の入試委員会(委員長=片峰茂・長崎大学長)は19日、大学入試センター試験にかわり2020年度に始める共通テストの記述式問題について、実施時期や採点方法にどんな長所や短所があるかを示した「論点整理」を文部科学省に提出した。
いままで通り大学入試センターが採点を担うことを前提に文科省が検討していた2案(①12月中旬などに前倒しして実施②現行通り1月中旬に実施)と、入試委の独自案(1月中旬に実施し、その後、受験生が出願した大学が採点を担う)の計3案について考察した。7月末以降、委員らの意見を集めてまとめた。
①案は「高校教育への負の影響」を指摘。②案については「極めて少数の短文記述式設問に限定される」とする一方、採点をマークシート式と別にして各大学に結果を知らせるのを2月下旬に延ばせば、第一段階選抜には間に合わないが、「相当程度の問題内容の充実が可能」とも記した。
独自案については、「採点のための時間的余裕が生まれ、出題の多様性の幅が拡大する」「各大学で独自の採点基準を採用できる」とし、「大学の責任と物理的負担が極めて大きくなる」「大学によって対応が分かれる可能性」などとも指摘した。
文科省は論点整理の提出を受け、入試委の独自案を軸に検討を進める。
今月末に開く制度設計の検討会議で議論。さらに高校や大学の意見も聴き、来年度初めに「実施方針」を公表する予定だ。