メキシコ大統領との会談を終え、移民政策について演説するトランプ氏=8月31日、米フェニックス、佐藤武嗣撮影
米大統領選共和党候補のトランプ氏が8月31日、メキシコの大統領と会談した。テーマは、人気の原動力であり、批判も浴びる移民問題だ。過激な言葉で非難し合った因縁の国家元首との会談では、友好姿勢も演出し交渉力をアピール。一方、直後の演説では強硬姿勢を維持するなど、硬軟織り交ぜ、劣勢の選挙戦を巻き返そうと躍起だ。
米大統領選2016
「第一、不法移民を止める。第二、国境の安全確保は国家の権利であり、相互に利益をもたらす」
メキシコ市の大統領宮殿でペニャニエト大統領との共同会見に臨んだトランプ氏は持論を強調しつつ、「(大統領の)招待は光栄だ。あなたを友と呼ぼう」と友好ムードを演出した。
トランプ氏をムソリーニやヒトラーになぞらえて批判してきた大統領も、移民問題で「大金や武器が米国から流入し、メキシコで暴力の元凶となっている犯罪組織を育んでいる」と反撃しつつ「率直で建設的な意見交換をした」と応じた。
大統領は、民主党のヒラリー・クリントン候補にも招待状を出した。メキシコ国内にはトランプ氏招待への批判が出たが、トランプ政権も念頭に置き、関係構築を模索する思惑があったようだ。大統領は会見で、招待について「トランプ氏から非常に迅速な返事があった」とも明かした。
トランプ氏が会談に食いついたのには理由がある。
外国を敵視する発言を繰り返す…