(1日、DeNA5―6広島)
広島の4年目、鈴木は8月18日に22歳になったばかり。その根性の座り具合は、見ていて気持ちがいいほどだ。
本塁打数はチームトップ。前日にはシーズンの規定打席にも達し、この試合前の時点での打率3割3分1厘はリーグ2位。好成績を残しながらも、「自分は一打席も無駄に出来ない立場」と口にしてきた。
その言葉を実践している。この日、一回1死満塁の絶好機で砂田の外角の変化球に泳がされ、空振り三振に倒れた。四回の第2打席。その砂田の変化球を仕留め、2試合連続となる23号ソロを右中間へ運んだ。五回は中前にしぶとく適時打を落とした。
チームとしての反発力の高さも相変わらずだ。五回にDeNAに奪われた4点のリードなど、問題にしない。その裏、1死からの菊池のソロで3点差に。2死後、新井は右越え二塁打。鈴木の適時打を挟み、エルドレッドが特大の同点2ランを左越えに放り込んだ。
十回1死満塁から丸の中前安打で決着。この回、1死一塁から二塁打を放ってサヨナラ機を築いた田中は五回の失策を取り戻した。
これで今季76勝目。1984年に記録した球団のシーズン最多勝利75を32年ぶりに更新した。76勝のうち、逆転勝ちは40を数える。逆転の広島の本領を発揮して、本拠で3連勝。マジックナンバーは1桁になった。(竹田竜世)