囲碁名人戦を観戦する将棋の加藤一二三九段(中央)=8月31日午後1時2分、東京都文京区、堀英治撮影 第41期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第1局は、名人返り咲きを狙う挑戦者、高尾紳路九段(39)が「七冠」を独占する井山裕太名人(27)に先勝した。囲碁界の最高峰を争う戦いの開幕戦を、「神武以来の天才」と称された将棋の元名人で、近年はバラエティー番組でも人気の加藤一二三(ひふみ)九段(76)が観戦した。 2日目の午後の戦いが始まる際、対局室に入りました。 再開からしばらくして井山名人が92手目を打ちましたが、高尾九段がすぐに次の手を打ったので驚きました。仮に読み筋通りだとしても、将棋の棋士ならもう少し考えるところだと思います。自信があるように見えました。 正座のままの井山名人は「思案している」といった様子で、苦しんでいるようには見えません。ただ、後で立会人の趙治勲名誉名人(60)の解説を聞いたところ、形勢は既に井山名人が悪かったようです。対局者の内面は、はた目にはわからないのだなと改めて感じました。 囲碁は小学校6年ぐらいで覚えました。将棋とは違い、囲碁は石で陣地を囲うゲームですが、時として自分の石を見捨ててしまうという点が、将棋にはない感覚です。大盤解説会ではそれがわかりやすく説明されていて、頭が柔軟になった気がしましたね。 囲碁界に知り合いは多いですよ。趙名誉名人とは、インターネット番組で共演したことがありますし、林海峰名誉天元(74)とは囲碁と将棋を互いに指導しあったことがあります。タイトル戦を現地で見るのは初めてですが、とても楽しみにしていました。 七大タイトルを独占する井山名人は、間違いなく天才なのでしょう。天才の中にも、研究が大好きなタイプとそこまで研究をしないタイプがあるというのが持論ですが、井山名人は前者なのだと思います。 史上最年少の14歳で棋士にな… |
将棋の加藤元名人が見た囲碁頂上対決 「頭が柔軟に」
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