同じ柔道部に所属していた同級生から約1年半にわたって、いじめを受け、うつ状態や心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、福島県内の私立高校に通う元柔道部の男子生徒(3年)が同級生の男子生徒3人に対し、慰謝料などの損害賠償を求める訴えを福島地裁に起こしたことが分かった。
提訴は8月16日付。訴状などによると、生徒と同級生3人は2014年、柔道部の特待生として入学。しかし、生徒は入学間もない4月から、めがねを壊されるなど嫌がらせを受け始め、柔道部の練習後に顧問や上級生のいないところで平手打ちをされるなど、暴行を受けるようになった。
また、通信アプリ「LINE」を通じて「奴隷くん」と中傷され、指定のアプリをダウンロードするように指示されたり、「死ね」「ころすよ」などのメッセージを繰り返し送られたりしたという。
訴状では、いじめが学校内だけでなく、LINEなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて、学校外でも行われた点を指摘し、「原告は気が休まる時間もなくその精神的苦痛は甚大」と主張している。
生徒は昨年12月に柔道部を退部。学校は生徒の親からの訴えで、同級生3人の行為を知り、いじめと認定したうえで、今年1月、3人を家庭謹慎処分とした。
朝日新聞の取材に対し、学校の校長は「いじめに気づかず、このようなことを起こしてしまい、大変申し訳ない」と話した。同級生の代理人の1人は「裁判中なのでコメントできない」としている。