リオデジャネイロ・パラリンピックで入場行進する日本選手団=7日、マラカナン競技場 南米初の開催となる第15回夏季パラリンピック・リオデジャネイロ大会が7日夜(日本時間8日朝)、開幕しました。名前は知っていても「実際に競技を見たことがない」、「五輪と比べたらパラリンピックなんて……」と思うかもしれません。ただ、パラリンピックは年々、競技性を増し、健常者の記録に迫るパラ・アスリートも出てきました。これまでの常識を変える12日間が始まります。 リオパラリンピック リオパラ日程・記録 マラカナン競技場であった開幕式。オープニングで車いすの男性が巨大なジャンプ台を滑り、宙を舞うと、ほぼ満員の観客席から大歓声が上がりました。入場行進する選手たちは、すがすがしい笑顔で誇らしげな表情。車いすでくるりと回っておどけるフランスの騎手や、松葉杖を振って観客の声援に応える右足欠損のガーナ選手など、南米独特の陽気がそうさせるのか、とにかく明るい選手の姿が目立ちました。 ■誕生の背景に戦争の影 パラリンピックの起源は、第2次世界大戦の負傷者のリハビリとして開かれたスポーツ大会です。1948年にロンドン郊外のストーク・マンデビル病院でアーチェリー大会が開かれ、16人の入院患者が参加しました。そこから68年。パラリンピックは五輪やサッカーW杯に次ぐ大会に成長しました。リオ大会には159カ国・地域の選手と、国際パラリンピック委員会(IPC)が今大会で初めて設けた「難民選手団」の2人を含めた約4300人が計22競技に参加します。 今大会で最も注目されている選手のひとりが、義足のジャンパー、マルクス・レーム選手(ドイツ)です。人類で最も遠くへ跳躍する義足のジャンパーとして、リオの地でその名を歴史に刻むかも知れません。 右足が義足のレーム選手。男子走り幅跳びで8メートル40の障害者世界記録を持っています。この記録がどれだけすごいのか。五輪の金メダリストと比べてみても、直近のリオ大会は8メートル38、前回ロンドン大会は8メートル31です。いずれもレーム選手の記録には及びません。 「義足が有利に働いているのでは」。記録を上げる度にそんな批判も出ました。ただ、義足研究の専門家が科学的に調査したところ、「現段階で義足が有利に働いていないとは証明できていない」という結果が出ました。専門家のひとりで産業技術総合研究所の保原浩明さんは「走り幅跳びで2016年8月下旬にパラ・アスリートが健常者を超える記録が出る」と予測しています。まさにリオ大会でその場面を迎える可能性があります。 ■残された機能を生かす 「失った機能を数えるな。残った機能を最大限に生かせ」。「パラリンピックの父」といわれる医師グットマンの言葉です。己の身体能力を最大限に引き出し、自らの記録に打ち勝とうとする姿は、まさにアスリートそのものです。パラ陸上でメダリストを育てた経験を持つ、ある指導者は「健常者と比べてどちらが優秀かという議論は意味がない。競技スポーツの本質はそこにない」とも指摘しています。 取材を通して感じるのは、選手たちが抱く勝利への飽くなき探求心です。ボッチャの高橋和樹選手は「日本代表として、メダルを持ち帰らなかったら本当に恥ずかしい」と話していました。また、50歳の車いす卓球プレーヤー、吉田信一選手は「若造にはまだ負けない。判断力もメンタル面もベテランの方がたけている」と若手の台頭を意に介しません。 2020年の東京大会が決まり、パラリンピックへの関心はより高まっています。限界を乗り越えようと努力する姿は、障害があってもなくても変わりません。そこに生まれる感動の波がリオから東京、そして世界へと広がろうとしています。(向井宏樹) |
「パラなんて…」は、もう古い 常識を変える12日間
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