アイスランドのフィンボガソン=EPA時事
連日、熱戦が繰り広げられているサッカーロシアW杯。出場32チームのなかには、チーム内に名字が同じ末尾の選手ばかりいるチームがある。
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今回でいえば、アイスランド、クロアチア、セルビアの3カ国。初出場のアイスランドは23選手のベンチ入りメンバーのうち22人の名字の末尾に「ソン」がつく。初戦のアルゼンチン戦の得点は、G・シグルドソンがゴール前のビャルナソンへパスを出し、こぼれ球をフィンボガソンが決めた。
クロアチアは「ッチ」だ。23選手のうち15人の名字の末尾に「ッチ」がつく。アルゼンチン戦ではモドリッチがゴールを決めるなど活躍した。同じく旧ユーゴスラビアのセルビアも「ッチ」率が高く、23人中21人が占める。
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「全国名字大辞典」などの著作がある姓氏研究家の森岡浩さんによると、この「~ッチ」は「~の息子」という意味で、「スラブ系諸国では広く使用されている命名法」だという。アイスランドの「ソン」も「息子」という意味で、北欧のノルウェーなどに多い「セン」も同じ由来だ。
「欧州では名字のない時代は『~の息子』と名前を名乗ることが多くあった。その後、名字の制度が生まれた時に、これをそのまま名字としたため、同じ末尾となることが多いのです」と森岡さんは説明する。
D組の1次リーグ最終戦で、「ソン」と「ッチ」の顔合わせとなるアイスランドとクロアチアが対戦。キックオフは日本時間27日の午前3時だ。(山口裕起)