預かりボランティアの梶山永江さん(右)。「元気でいるんだよ」。愛犬は飼い主から離れようとしなかった=6日、岩手県岩泉町、青木美希撮影
台風10号の豪雨災害で400人以上が避難所で暮らす岩手県岩泉町で、被災者のペットを預かる支援が始まった。東日本大震災後、ペットと生活できる避難所の指針を国が定めたが、人口1万人の小さな町役場では手が回らない。見かねた女性が立ち上がった。
避難所の大津ヤエさん(64)は5日、シバイヌを岩手県宮古市の梶山永江(ひさえ)さん(40)に預けた。ヘリで避難する際、「犬がいるので残りたい」と言ったが、「ほかにもペットを連れて避難した人がいるから大丈夫」と説得された。しかし、避難所に着くと「犬は入れません」。犬と外で一夜を明かした。「また外で夜を過ごそうと思っていたところでした」
梶山さんは犬の訓練士。昨年からペット同伴の避難について地域で勉強会を催したり、寄付を募って保護施設を作ったりしてきた。今回の豪雨災害では、「せっかく生まれてきた命を助けたい」と無償の「預かりボランティア」として6日までに犬5匹を施設に迎え入れた。7日には新たに7匹を預かる予定だ。
西倉沙織さん(47)も愛犬チ…