台風の豪雨で屋内まで泥水が流れ込んだ「あまちゃんハウス」=2日、岩手県久慈市、阿部浩明撮影
8月末に東北に上陸した台風10号の豪雨災害で、岩手県久慈市の「あまちゃんハウス」が浸水被害を受け、再開のめどが立っていない。
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久慈市では市街地が冠水した。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケセットや衣装、舞台になった架空のまち「北三陸市」のジオラマなど、約300点を展示する「あまちゃんハウス」は高さ2メートル近くまで浸水して泥をかぶった。
「あまちゃん」は久慈市にとって観光シンボルだ。社会現象となったブームにあやかり、モデルの「北限の海女」とともに観光PRの拠点にしようと、2年前に久慈駅前の空き店舗を利用してオープンした。ドラマの終了後も、喪失感を抱く「あまロス症候群」の人たちを引きつけ、テレビ放映された台湾などからも観光客が大勢訪れていた。
久慈市の担当者は「ロケセットは作り直しもできるが、本物でなくなるから、作り直すことに意味があるのかどうか……」と肩を落とした。