米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は12日の講演で利上げについて「慎重さが求められる」と話し、早期利上げに慎重な姿勢を示した。発言を受け、20、21日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測は後退した。同氏は物価上昇率が「年2%」の目標を下回り、雇用に改善の余地があるなどとして、早期利上げは「説得力に欠ける」と指摘。今後数カ月で指標を精査するとして、利上げを急がない姿勢を示した。
12日のニューヨーク株式市場では、利上げの先送りで低利の資金調達がしやすい環境が続くとの見方から株価が大幅に上昇。大企業で構成するダウ工業株平均の終値は前週末より239・62ドル(1・32%)高い1万8325・07ドルだった。
13日の東京株式市場で日経平均株価は上昇。午後1時時点は、前日終値より10円35銭高い1万6683円27銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は、同3・67ポイント低い1319・43。午前の終値は、日経平均が同2円73銭(0・02%)高い1万6675円65銭。TOPIXは、同3・13ポイント(0・24%)低い1319・97。出来高は6億7千万株。東京外国為替市場の円相場は、米利上げ先送りで日米の金利差が拡大しないとの見方からドルが売られ、円高ドル安となった。午後1時時点は前日午後5時より59銭円高ドル安の1ドル=101円72~75銭。対ユーロは、同82銭円高ユーロ安の1ユーロ=114円26~28銭。(ワシントン=五十嵐大介、ニューヨーク=畑中徹)