JR東日本と西日本が発注する従業員の制服の納入で談合を繰り返していた疑いがあるとして、公正取引委員会は13日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、百貨店大手の大丸松坂屋百貨店(東京都江東区)、三越伊勢丹(同新宿区)、そごう・西武(同千代田区)、大手商社の伊藤忠商事(同港区)など、9社に立ち入り検査に入った。
関係者によると、談合の疑いがあるのは、JR東西両社に勤務する運転士や駅員、客室乗務員らの制服の納入。数年ごとに制服が新調されるのに合わせ、百貨店側の各社の担当者が電話やメールで事前に見積額を調整し、受注したい業者を決めていたとみられる。
JR両社の発注方法は、事前に数社を指名して見積もりをとり、価格などから業者を決める「見積もり合わせ」が主だった。受注しない業者が見積額を高く設定するなどして、特定の業者に受注させていたとみられる。
JR両社の社員数は約9万人に上り、新調する制服の発注額は十数億円になるという。
百貨店を巡っては1996年、東京都などが発注する贈答品、制服などの入札で談合していたとして、公取委が三越、伊勢丹など大手13社に排除勧告を出している。(矢島大輔)