白石がレースで乗る艇=矢部洋一氏提供
海洋冒険家の白石康次郎(49)がアジア人として初めて出場する「最も過酷なヨットレース」が近づいてきた。単独無寄港、無補給で世界を一周するヴァンデ・グローブ。「このレースの出場者の列にいることをうれしく思っている」。14日、出場29人のスキッパーが勢ぞろいしたパリでの記者会見に参加し、抱負を語った。
4年に一度開かれるヴァンデ・グローブは今回が8回目で、11月6日から始まる。大西洋に面したフランスのヴァンデ県を出発して南アフリカの喜望峰、チリのホーン岬を回り、帰ってくる。強風と荒波にさらされながら、80日間以上、大型艇を一人で操る。完走率は半分程度。フランスではスタート、ゴール時に大観衆が訪れる。
レースにはニュージーランド製の中古艇で出る。カラーリングも終わり、帆も新調された。「自分の使命はアジアの人々に、この大会の壮大さと、それに挑戦する大切さを伝えること」。壇上でここ2大会連続で2位に入ったフランス人らと並んだ白石はそう目標を語った。