資材置き場の屋根が飛んで電柱をなぎ倒し、道路が通行止めとなった=20日午前7時19分、宮崎市阿波岐原町、伊藤秀樹撮影
強い台風16号は20日午前0時すぎに鹿児島県の大隅半島に上陸し、九州南部を通過した。正午現在、高知県の室戸岬の東北東約40キロを時速40キロで北東に進んでいる。気象庁によると、20日夜にも関東に最接近する恐れがあり、西日本と東日本の太平洋側を中心に広い範囲で雷を伴った非常に激しい雨が降る可能性がある。気象庁は、土砂災害や川の氾濫(はんらん)などに厳重に警戒し、高波と高潮に警戒するよう呼びかけている。
上陸は今年6個目で、1年を通じた上陸数は1990年と93年に並ぶ2位。1位は2004年の10個。
20日正午現在の中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。21日午前0時の予報では千葉県館山市の南東約30キロに達し、21日正午の予報では温帯低気圧に変わる見込みだ。
九州南部では記録的な大雨となり、宮崎県日向市では20日朝までの24時間雨量が578ミリと観測史上1位の値を更新した。
20日夜から21日明け方にかけて関東甲信に接近する見込みで、21日未明にかけて局地的に雷を伴って1時間に40ミリの激しい雨が降る恐れがある。
21日昼までの24時間雨量は多いところで近畿、東海で250ミリ、四国、伊豆諸島で200ミリ、北陸で180ミリ、関東甲信で150ミリ、中国で100ミリと予想されている。
日本航空は午前10時時点で九州・四国の発着便を中心に38便、全日空は午前9時現在で44便の欠航を決め、計約6270人に影響した。欠航はさらに増える可能性がある。