記者会見する日銀の黒田東彦総裁=21日午後、東京都中央区、角野貴之撮影
日本銀行は21日の金融政策決定会合で、2013年4月から続けてきた金融緩和の枠組みを修正することを決めた。これまで年80兆円のペースで市場に流すお金の量を増やすことを緩和の目安にしてきたが、今後は金利の水準などを新たな目安とする。政策の軸足をお金の「量」から「金利」へと移す。
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具体的には、短期金利は、銀行が日銀に預けるお金の一部に年0・1%のマイナス金利をつけて実質的な手数料をとることを維持する。一方で、長期金利は「ゼロ%程度」で推移するよう国債を買い入れる。黒田東彦(はるひこ)総裁は会合後の記者会見で「国債買い入れ量が増減することはありうる」と述べ、長期金利をゼロ%程度で維持できるなら、買い入れ量が減る可能性を認めた。
また、これまでは買い入れる国債の平均残存期間を「7~12年程度」としていたが、これを廃止する。満期までの期間が長い金利の上昇を一部容認し、年金や保険の運用、貸出金利の縮小などで金融機関から相次いだ批判に配慮したかたちだ。黒田総裁は「金融機能の持続性への不安感をもたらし、マインド面なども含めて悪影響をもたらす可能性もある。そういったことを考慮したことは事実」と述べた。
日銀は上場投資信託(ETF)…