参院選の選挙戦最終日、政党による最後の訴えを聞く有権者たち=7月9日、東京都内、葛谷晋吾撮影
番組によっては東京都知事選の3分の1――。今夏の参院選報道について、上智大学文学部新聞学科の教員・学生のチームがテレビ各局のニュース番組を調査した結果、報道の量が少なく、争点の掘り下げも足りないという課題が浮かび上がった。前東京都知事の辞職と都知事選の候補者選びに押される形で、参院選がかすんでしまったという。
調査をしたのは、同大新聞学科の教員4人を中心としたチーム。6月22日の公示日から7月10日の投開票日までの土日を除く平日の13日間、都内で見ることのできる主なテレビ局のニュース番組を録画して参院選報道の回数や時間、内容を8月初旬からほぼ1カ月間かけて調べた。ワイドショーにも目配りした。新聞報道も検証し、論文として来春に公表する。
担当した水島宏明教授によると、参院選をニュースとして取り上げない日も多く、全体として低調な傾向がみられた。
夕方のニュース番組をみると、NHKの「ニュース7」で項目を立てて参院選を取り上げたのは6日間で、7日間は参院選に触れなかった。民放の夕方のニュース番組では、フジテレビ4日間、日本テレビ5日間。一方、TBSは8日間、テレビ朝日は12日間だった。
水島教授は「単純比較はできないが、2014年12月の衆院選で選挙期間中の平日9日間でNHKと民放の主な番組が、連日何らかの形で選挙に触れていたことを考えると、今回の報道回数は少ない」と語る。
低調な報道の背景として、欧州…