三谷紬アナウンサー
起こせジャイキリ サッカー日本代表
◆テレビ朝日アナウンサー・三谷紬さん
サッカー日本代表は19日にワールドカップ(W杯)ロシア大会の初戦、コロンビア戦を迎えます。強豪相手にどんな戦いを見せてくれるのでしょうか。法政大学時代にサッカーサークルの監督の補佐を務めたこともあるテレビ朝日の三谷紬アナウンサー(24)に、代表チームへの思いやサッカー観戦の楽しみ方を聞きました。
「株主優待」桐谷さん、奇跡の14連勝を日本代表に伝授
逆境西野Jの勝算は? 「奇跡のゴール」伊東輝悦が語る
南ア撃破は「必然」 五郎丸選手が語る、西野Jへの教訓
家族全員がサッカー好きです。小さい時から無意識に試合をテレビで見ていることが多く、気づいたら好きになっていました。Jリーグも見ていたし、日本代表の試合も欠かさず家族で観戦していました。
特に日本代表は「家族全員で応援しないと」という空気。ピザやコーラを買ってみんなで一緒に見る、イベントのような感じでした。2004年のアジアカップでPKサイドを替えて日本が勝った試合(準々決勝のヨルダン戦)を、一番よく覚えています。
中学・高校が女子校で、サッカー部がありませんでした。実際にプレーしたのは、大学のサッカーサークルに入ってからです。ずっと見てきたので、自分もサッカーをしてみたいという気持ちはありました。イメージトレーニングは20年近く続けてきたのに、いざやってみるとイメージ通りに全然できなくて。やはり小さいときから鍛錬を続けてきたからこそできることなんだなと、改めて選手に対する尊敬の気持ちが生まれました。
サークルでは結局、マネジャーとしてチームを支えました。サポート役に回ったのですが、私は選手と一緒にサッカーをしたいと思っていたので、自分で戦術やポジションの勉強をして、監督の補佐をさせてもらったこともあります。自分のチームにいる選手たちをいかに有効に使うか、というのをすごく考えさせられましたね。
そんな中で、一度賭けに出たことがあります。FWがけがをしてしまい、なかなかゴールを決められないチームだったのですが、DFのサイドバックだった選手を、ケガをした選手の代わりにFWにコンバートしてみたのです。その選手はスプリントが速く、身長もあったので、もしかしたら日本代表の武藤嘉紀選手のようなFWになってくれるのではないかと思って。それがすごくはまり、その試合でゴールを量産し、勝つことができました。
2018ワールドカップの日程
カードを引いて夢の日本代表をつくろう
【特集】2018ワールドカップ
戦術の勉強は、本も読みましたし、Jリーグの試合もたくさん見に行きました。学生時代は東京の八王子市に住んでいたので、FC東京のホームの味の素スタジアムにもよく足を運びましたよ。
もしかしたら、私は少し変わったサッカーファンかもしれません。もちろんサッカー選手のみなさんは格好いいと思いますし、アイドルのように見てしまうこともあります。でも、私は何より自分のチームに貢献したいと考えていたので、試合を見る時も、例えばサイドバックの選手がどのように動くのかといった視点で試合を見ていました。
もしサッカーに興味があってスタジアムに足を運んでみたいというファンの方がいたら「スタメシ」、すなわちスタジアム飯にチャレンジしてほしいですね。各スタジアムで、その地方のご当地ごはんを楽しむことができます。たとえば大阪のパナソニックスタジアム吹田であれば、王道の串カツです。さらに試合ごとに各選手とコラボした商品もあり、それも楽しみの一つです。
今回の日本代表で注目しているのは、やはりW杯経験者の川島永嗣選手や長谷部誠選手、長友佑都選手などのベテラン選手です。きっと日本代表の精神的な支柱になってくれるのではないかなと思っています。
西野朗監督は、ガンバ大阪を押し上げていった方ですし、とても応援しています。選手の士気をどんどん高めていってほしい。私はパスをつないでいくサッカーがとても好きなので、決定力のある宇佐美貴史選手らにボールが集まるようになればいいですね。
日本の対戦国・セネガル、ガラガラのスタンド
売れ残ったブブゼラ6万本 南ア業者、悲しい現実
特集:起こせジャイキリ サッカー日本代表
今回はハリルホジッチ監督の解任がありましたが、ファンの一人としてはできるだけポジティブに考えたいと思っています。きっと代表にとってプラスになるからそうなったのだと思うんです。「後ろを向いても絶対にいい結果にならない」と私は両親に言われて育ちました。何ごともポジティブにとらえなさいと。
テレビ観戦を予定している方には、ぜひ実況アナウンサーにも注目していただきたいです。私がアナウンサーを目指したのも、実況アナウンサーへの憧れからでした。サッカーを詳しく知らない方でも楽しめるよう、アナウンサーが言葉で補足してくれるからです。
格上のチームに勝つために大事なことは、応援する人が最後まであきらめないことだと思います。応援する人間があきらめたら、きっと選手たちもあきらめちゃうだろうなと思って、私もずっと応援してきました。今回も現場の生の温度感を実況アナウンサーから感じ取り、同じくらいのテンションで日本代表を応援したいと思っています。90分間、ラストの笛が鳴るまでずっと応援し続けること。それが選手にとって一番頑張れる力になるんじゃないかと思います。(聞き手・柴田真宏)
◇
みたに・つむぎ 千葉県出身。法政大学卒業後、2017年4月にアナウンサーとしてテレビ朝日入社。現在は「報道ステーション」金曜・気象情報、「ロボット旅日本一周~タカラモノクダサイ~」などを担当。趣味はサッカー観戦、人間観察。