26日、米大統領選のテレビ討論会で握手をする民主党のヒラリー・クリントン氏(右)と共和党のドナルド・トランプ氏=AP
米大統領選候補のクリントン氏とトランプ氏が激突した26日のテレビ討論会は、どちらに軍配が上がったのか。専門家に聞いた。
「大統領になる準備をしてきた」 一言が流れを変えた
米大統領選挙2016
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■スタンフォード大シャンツォ・アイアンガー教授(米国政治・世論)
第1回討論会の軍配はクリントン氏に上がったと思う。トランプ氏は、前半の貿易問題や経済政策などについてはよく論点を絞っていたが、その後は議論が不安定になり、怒りやいらだちを隠せなくなっていった。終盤は大統領にふさわしくないと思わせるような反応も多く、準備不足も感じさせた。一方のクリントン氏は終始落ち着いており、トランプ氏にプレッシャーをかけながら批判もうまくかわしたと思う。
今回のテレビ討論会はかつてない注目を浴びたことは間違いない。ただ、そもそもテレビ討論会は大統領選全体の中での影響はあまり大きくはない。すでに支持を決めている人が討論会を見て態度を変えることは少ない。今回はソーシャルメディア上でも中継されたが、ここに現れるのは両候補の熱心な支持者の反応に偏りがちだ。
テレビ討論会は支持を広げるこ…