衆院福岡6区補選(10月23日投開票)をめぐり、福岡県大川市議会の9月定例会の日程が、昨年の19日間から5日間に大幅に短縮された。補選に出馬するため9日付で退任した鳩山二郎前市長に議会側が配慮した形で、市側も市長選の経費節減を理由に同調した。短縮された日程でどういう審議が行われたのか。
■「審査に手抜きない」
「このたびの定例会日程で、議案審査に一切の手抜きはしていない」。最終日の9日、一般質問に唯一立った永島(えいしま)守市議は、本会議の議場でこう語った。
大川市議会(定数17、欠員1)では、9月定例会の会期は19日間が通例。5日間の会期を議会運営委員会に提案したのは、同委員会副委員長を務める永島氏だった。
6区補選では自民党福岡県連は蔵内謙氏を推し、鳩山氏との対立が続く。「市議会会期中は、鳩山氏の身動きが取れなくなる」との声も出ていたという。永島氏は「議会と市長がもめるような案件はなく、5日間でいいということになった。個人的には、鳩山氏に早く選挙準備をしてほしい気持ちもあった」と話す。古賀龍彦議長も賛同し、「オール与党化」する市議会は、本会議で日程案を全会一致で了承した。
大川市議会では、9月定例会では主に前年度の決算議案を審議する。決算議案は3月定例会の予算議案と同様に重要との考えから、他の定例会よりも1週間長く日程を取ってきた。
会期が5日間となった今回は、決算議案の委員会審議で昨年と同様に1日半をかけた。ただ、決算議案を含む市政全般の問題を議論する本会議での一般質問は1日のみで、質問に立ったのは永島氏だけ。昨年の9月定例会の一般質問では、2日間で8人が質問していた。古賀議長は「市長が辞めることがわかっていたので、次の新しい市長に(9月定例会以降に)質問を回そうということになった」と説明する。
一方の市側も、補選と市長選を…