ウルトラマン。必殺技のスペシウム光線を放つポーズ(C)円谷プロ
「ウルトラマン」シリーズ放映開始50年を記念し、原案者の脚本家・金城哲夫(1938~76年)の名を冠した二つの脚本賞が創設された。「あの不朽の名作を超える作品を生み出そう」。関係者は意気込む。
金城の出身地・沖縄県南風原(はえばる)町の観光協会と、金城が所属した円谷プロがそれぞれ7月から募集中だ。
金城は米軍統治下の沖縄から15歳で上京。大学在学中から特撮の神様と言われる円谷英二に師事し、シナリオの腕を磨いた。「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の設定と人物造形を手がけ、メインライターとして脚本を統括。勧善懲悪に収まらない新たなヒーローものの作品を作り上げ、ウルトラブームを巻き起こした。69年に帰郷した後は沖縄芝居の脚本を数多く残したが、不慮の事故で亡くなった。
観光協会による「金城哲夫のふるさと沖縄・南風原町脚本賞」は、日本語かウチナーグチ(沖縄語)で、沖縄を題材にした上演時間1時間~1時間半程度のセリフ劇用脚本を募る。締め切りは10月31日。観光協会は大賞作品を舞台化する方針だ。事務局長の藤原政勝さんは「金城さんは町のヒーロー。その作品に匹敵する脚本を送り出したい」。
一方、「円谷プロダクションクリエイティブアワード金城哲夫賞」は、ジャンルを問わず、30分のテレビドラマ13話程度の企画書と第1話の脚本を募集している。締め切りは11月30日。大賞作品は円谷プロが映像化をめざす。
問い合わせは南風原町観光協会(098・851・7273)と、円谷プロの募集サイト(
http://m-78.jp/TCA
)へ。(石川智也)