「OSAKAなんみんハウス」のオープンに向け、玄関や部屋を改修する支援者たち=大阪市淀川区
日本で難民認定を求める人たちを支える拠点が来月1日、大阪市内にできる。紛争などで母国を追われた難民の映像に心を痛めた市民が建物を無償提供し、支援団体が開設にこぎつけた。海を越えて逃れてきた人たちが身を寄せられる場にするとともに、地域住民との交流の場を目指す。
■築50年の住宅「居場所に」
名称は「OSAKAなんみんハウス」。地下鉄御堂筋線東三国駅から徒歩5分ほど。昔ながらの町なかにある、築約50年の住宅だ。難民支援団体「在日難民との共生ネットワーク」(通称・ラフィック)が設置し、運営にあたる。
住宅の所有者の女性(57)は昨年、中東から欧州に向かう大勢の難民が国境で足止めされているニュースをテレビで見た。日常を奪われたその姿に、いたたまれない気持ちになった。日本にも野宿する難民申請者がいることも分かった。
一方で、欧州の一般市民が、疲れている難民に食べ物を配っているシーンにも心を動かされた。「自分にも何かできることはないだろうか」。ネットで難民支援の団体を検索し、ラフィックを見つけ、連絡した。「雨風をしのぐために、必要としている人がいれば空き家を無償でお貸ししたい」。今後は食器や家具など使わない品を集めて寄付することを考えている。
ラフィック共同代表の田中恵子…