千葉ポートアリーナで初めて開催された、車いすバスケの国際大会=2015年10月、千葉市、井手さゆり撮影
リオデジャネイロ・パラリンピックで注目を集めた障害者スポーツ。国内でもプレーできる場が広がりつつある。2020年東京大会を見据えた自治体や企業の取り組みで、イメージアップの狙いもある。競技者たちは変化を歓迎するが、課題も残る。
特集:チャレンジド
障害がある生徒たちが学ぶ東京都立村山特別支援学校(武蔵村山市)。9月から平日の夜と休日、障害者スポーツ団体が体育館やテニスコートを使えるようになった。車いすテニスの練習で利用した女性(60)は「必死に探してやっと見つかった場所。車いすで使えるトイレや駐車場が整い、快適だった」と話す。
貸し出しは、都が都立特別支援学校やろう学校計5校で始めた。年約20万人が利用し、築30年を超えた都障害者総合スポーツセンター(北区)が9月から改修に入ったためだ。都の担当者は「東京パラリンピックの開催都市として、場をしっかり確保したい」と言う。
千葉市は14年、「車いすで床が傷つく」という懸念が出ないよう、約2千万円かけて床を保護する樹脂製パネルを購入した。昨年10~11月、パネルを使って「千葉ポートアリーナ」で車いすのバスケットボールとラグビーの国際大会が開かれた。市内の幕張メッセは、20年東京大会の車いすフェンシングなど4競技の会場に決まっている。熊谷俊人市長(38)は「バリアフリーが進むことで、市のブランドにもなる」と話す。
企業もプレー場所の提供に乗り出す。
三菱電機は、関東車椅子バスケットボール連盟と協定を結び、今年4月から神奈川県鎌倉市大船にある同社の「大船体育館」を月2回、貸し出している。スロープを設置し、壁にクッションも付けた。担当者は「練習場所が少ないと聞き、協力を決めた。結果的に企業ブランドの向上にもなる」。
東京ガスは、東京建物などと障害者アスリートの練習施設を東京都江東区に整備中で、12月にオープンの予定だ。