10月1日に開催されるフィギュアスケートの日本、北米、欧州の3地域対抗団体戦ジャパンオープンを前に30日、会場のさいたまスーパーアリーナで公式練習があった。日本チームは男子が宇野昌磨(中京大)と2006年四大陸選手権優勝の織田信成、女子は宮原知子(関大)と15歳の樋口新葉(わかば、東京・日本橋女学館高)が出場する。
フィギュア特集 Kiss and Cry
宇野は自身の曲が流れる中での練習では4回転フリップに失敗したものの、4回転トーループは成功。その後の練習で再び4回転フリップに挑み、見事に着氷を決めた。
練習前の記者会見では「調子は悪くないので、試合でどう合わせられるかが重要。構成は当日の調子で決めるが、(4回転は)フリップ1回、トーループ2回を入れるつもり。昨年よりも成長したね、と言われるような内容にしたい」。曲にはタンゴも盛り込まれており、「曲(のリズム)に負けないように演技したい」と意欲をみせた。
4月の国際大会で、世界で初めて4回転フリップに成功して以来、宇野に対する注目度はさらに上がった。今大会終了後には「国際スケート連盟公認大会で初めて4回転フリップを決めた選手」としてのギネスの認定式も予定されている。
「ぼくなんかがもらってもいいのかと思うが、記録に残ることはうれしい。今後は記憶にも残る選手になりたい」と笑顔を見せた。
織田は13年に引退していたが、久しぶりの大会出場。10月1日は長男の誕生日とあって「引退したときは3歳だったが、もう6歳になる。かっこいいお父さんの姿を見てもらいたい」と話した。
女子は、宮原が本番で着る真っ白の衣装で練習に臨んだ。3回転の連続ジャンプを何度も成功させるなど、調子の良さをうかがわせた。
会見では「ここまでの調子は悪くない。今季のフリー(のプログラム)を滑るのが楽しみ。一番いい演技を目指したい」。フリーのテーマは、昨季の「初恋」からガラリと変わって今季は「宇宙」。「今までにない雰囲気の曲で色々な場面がある。それぞれの表情で、表現の違いを心掛けたい」と意気込みを語った。
今大会には、女子のトップ選手がそろった。世界女王となったエフゲニア・メドベジェワ(ロシア)ら、4月に米ボストンで開かれた世界選手権のトップ5選手が参加。今季からシニアに参戦する樋口は、その豪華さに「みんなオーラがあってすごいと思う。世界のトップと戦うので気を引き締めてやりたい。力み過ぎるといい演技ができなくなるので、のびのびと滑れたら」と話した。