グーグルが開発中の自動運転車=米カリフォルニア州
米カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は29日、州内の特定の場所に限り、ドライバーが乗らずに自動運転車の試験走行ができる法案に署名した。自動運転車の本格的な試験走行に向けた一歩となりそうだ。
法案では「指定の場所で時速35マイル(約55キロ)以下であれば、ドライバーが運転席にいなくてよく、ハンドルやブレーキも必要ない」とした。同時に、自動運転車が収集する個人情報の開示を求める。
走行できる場所として、サンフランシスコの北東のコンコード市にある5千エーカー(約20平方キロ)の試験場などを指定した。試験場は自治体の交通当局や民間企業、研究機関などが提携して試験を行っており、日本のホンダも利用している。
同州内の公道で自動運転車を試験走行させるには、専用の免許を持つドライバーが運転席に座っていることが条件になっている。緊急時に備えてハンドルやブレーキも装備する必要があり、ボタンを押すだけで走らせることを目指すグーグルなどから不満が出ていた。
今回の法案でも、試験場など以外の公道での走行はまだできないが、州が運転者なしでの走行を初めて認めたことで、今後公道での規制緩和が進む可能性がある。地元紙サンノゼ・マーキュリーによると、グーグルやアップルがすでに関心を寄せているという。(サンフランシスコ=宮地ゆう)