大阪市交通局が来年度、20年ぶりに市営バスの運転士の新規採用を再開することがわかった。市交通局採用の運転士の平均年齢は3月末時点で53・2歳。40歳未満の運転士がおらず、高齢化が深刻な問題となっているため、若返りを図る。
市交通局のバス事業は、2012年度まで30年連続赤字。人件費を圧縮するため、1997年度を最後に運転士の新規採用を凍結し、外郭団体や民間バス会社に運行を委託して人手不足を補ってきた。その結果、2006年度に973人(平均47・0歳)いた運転士は、今年3月時点で443人に減っている。
バス事業は給与カットや路線の再編などで13年度から3年連続で黒字に転換。今年度中に新規採用の数十人を募集する方針を決めた。新規採用の対象は21歳以上で、普通免許の取得から3年が経過し、路線バスを運転できる大型2種免許を持っていない人。最初は嘱託として採用し、交通局が費用を負担して教習所に通わせ、大型2種免許を取得してもらう。運転士として実績が良ければ正規採用するという。(花房吾早子)