悪化するシリア情勢を受け、国連安全保障理事会は7日、緊急会合でフランスなどが提案する決議案について協議した。決議案は、即時停戦やアレッポ上空での軍用機の飛行禁止などを求める内容で、8日午後に採決される見通し。だが、ロシアは拒否権を行使する構えを見せており、シリア情勢の打開策が見いだせない状況が続きそうだ。
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安保理議長国であるロシアのチュルキン大使は会合後の会見で、「フランス案は急ごしらえで、進展をもたらす内容ではない。(飛行禁止で)常任理事国の活動を制限することを安保理に求めるというのは前代未聞だ」などと批判した。また、多数の民間人の犠牲が出ているアレッポの状況を打開する必要があるとの認識を示しつつも、「真の目的はロシアの拒否権を引き出すためとの疑念を持たせる」と述べた。
AFP通信によると、ロシアは8日の安保理会合で、空爆停止の具体的な方策には触れずに、停戦を呼びかける対案の採択を求めるという。
一方、フランスの代表は安保理…