米軍北部訓練場の一部返還について、沖縄県の関係自治体の首長らと会談する菅義偉官房長官(右端)=8日、沖縄県名護市、岩尾真宏撮影
菅義偉官房長官は8日、沖縄県を訪問し、同県東(ひがし)村と国頭(くにがみ)村にまたがる米軍北部訓練場(7800ヘクタール)の約半分(4千ヘクタール)の年内返還をめざして米国と交渉する意向を表明した。政府は、返還の条件となる東村高江周辺へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事を年内に終える方針。その上で、訓練場の返還実現につなげる狙いだ。
政府、「年内返還」で翁長知事揺さぶり ヘリパッド問題
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北部訓練場の一部返還は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に盛り込まれた。ただ、返還の条件となったヘリパッドは2014年までに2カ所しか完成していない。政府は今年7月の参院選後に残り4カ所の移設工事を再開したが、現地では自然破壊や周辺集落への騒音問題などへの懸念から反対運動が続いている。
菅氏は8日に沖縄入りし、7月に再開したヘリパッド移設工事の状況を上空から視察した。その後、東村の伊集盛久(いじゅせいきゅう)、国頭村の宮城久和両村長らと会談し、北部訓練場について「年内返還が実現できるように(米政府と)交渉していきたい」と語った。また、地元から要望されていた高江地区への直接交付金には前向きな姿勢を見せ、北部訓練場は返還後に国立公園へ組み入れて整備する考えも示した。
菅氏は8日夜、翁長雄志(おな…