災害時の障害者支援マニュアルのアニメの1場面(MAMIE提供)
災害時に障害がある人をどう支援すればいいのか――。自身も聴覚障害がある女性漫画家が、支援マニュアルをアニメにした。インターネットの動画サイトに公開して半年あまり。アクセスは6万6千件を超えた。熊本地震の被災地でも反響を呼んでいるという。
アニメの制作者は、NPO法人「MAMIE」(大阪市淀川区)代表の安藤美紀さん(47)。「聴覚障害者の災害時に困ることって?」と題した約10分間のアニメを、3月末に「YouTube」に公開した。
アニメでは、障害者が災害時に直面しやすい危険や苦労を紹介している。寝室で消防のサイレンを聞いた子どもが、聴覚障害で気づかない母親を起こして避難する場面は、17年前に安藤さん宅の近くで火事が起きた実体験にもとづく。避難所で職員の声が聞き取れずに支援物資を受け取れない場面は、東日本大震災で避難した聴覚障害者の話を参考にした。
安藤さんは生まれつき聴覚に障害がある。子どものころ、文字を覚えるために作った絵カードや絵日記がきっかけで描画が好きになり、17歳で少女漫画雑誌の新人漫画賞の努力賞に選ばれた。
2004年にMAMIEをつく…