札幌市内のホステル(宿泊施設)で働く代わりに無料で宿泊したとして、北海道警は11日、観光客のマレーシア人の女(30)と中国人の女(19)を出入国管理法違反(資格外活動)の疑いで現行犯逮捕した。また、女2人に不法就労させたとして、道警は、ホステルの運営会社「万両」(東京都台東区)の社長の男(45)やホステル責任者の女(34)ら3人を同法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕する方針。
道警によると、2人は11日午前、同市中央区の「カオサン札幌ファミリーホステル」で宿泊料2千円をそれぞれ免除される代わりに、無資格で館内の清掃やベッドメイキングなどをした疑いがある。2人は容疑を認め、「観光ビザで働けないと分かっていたが、現金をもらっておらず大丈夫だと思った」などと供述しているという。
同社は主に外国人向けのホステルやゲストハウスを東京や大阪など6都道府県で計13店展開。ホームページに「就労資格がなくても清掃などに従事すれば無料で宿泊できる」との内容を英語で掲載しており、道警は組織的な犯行とみている。
札幌市によると、昨年度に市内で宿泊した外国人は191万8千人で、過去最多を記録。中国、台湾、韓国などアジアの客が多くを占める。北海道労働局によると、今年8月のホテル従業員らの有効求人倍率は2・63倍と全体の1・07倍を大きく上回り、人手不足の状態となっている。