米サンフランシスコで13日、集会で手を振る米大統領選民主党候補のヒラリー・クリントン氏=AP
米国の有力紙ワシントン・ポストは13日、大統領選で民主党候補クリントン氏を支持すると表明した。社説で、同氏に投票した人は4年後に今年を振り返り、同氏を選んだ決断を誇りに思うことだろう、とした。一方、共和党候補トランプ氏については「他に類を見ないほど、大統領候補の資格がない」と切り捨てた。
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同紙は、クリントン氏がファーストレディー時代に医療制度の抜本改革を志して失敗するなど、長い政界での経験から多くを学んできたと指摘。上院議員としては、夫のビル・クリントン元大統領の女性問題を追及した共和党議員も含め、両党から博識ぶりや仕事ぶりを認められてきたと評価した。
また、クリントン氏にはオバマ大統領のような雄弁さも、ブッシュ元大統領のような庶民的な魅力もないとしながらも、ただでさえ党派対立が激しく、米国民の不満が大きい現状で物事を前に進めるためには、クリントン氏の政策の知識と粘り強さが、雄弁さや庶民的な魅力よりも意味を持つだろう、と期待を示した。
一方、トランプ氏については「持論への固執、無知、虚言癖、うぬぼれ、狭量、知的怠惰、民主主義への理解不足」などと批判的な言葉を列挙し、同氏が大統領になれば、「米国と世界に深刻な危機をもたらす」と非難した。(ニューヨーク=金成隆一)