人間の寿命が125歳を超えることは難しいとする論文を、米のアルバート・アインシュタイン医科大学の研究チームが英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。統計的な分析で明らかにした。
研究チームは、約40カ国・地域の死亡統計データを最長で約100年分解析。各年齢別に生存率がどのくらい上がっているかを調べた。最も生存率が伸びている年齢は年々上がっていたが、1980年代以降はほぼ横ばいだった。
さらに110歳以上の人口が多いフランス、日本、イギリス、アメリカの4カ国について、毎年亡くなった人の最高齢を分析した。68年から94年までは年に0・15歳ずつ上がっていたが、122歳のフランス人女性が亡くなった97年ごろからは下がる傾向だった。
各国の平均寿命は延びているが、100歳を超える高齢者の寿命は1980年代以降、延びが止まったという。
研究チームは統計学的に、世界最高齢の人が125歳を超える確率は1万分の1未満と指摘。その上で「人間の寿命には、自然の限界があることを強く示唆している」としている。(福宮智代)