自宅で乾燥大麻を所持したとして、四国厚生支局麻薬取締部に大麻取締法違反(所持)で現行犯逮捕された高知県大豊町元職員の山岸達也容疑者(33)が、公費で産業用大麻栽培の講習を受けていたことが、町への取材でわかった。講習は、中国四国厚生局麻薬取締部に同容疑で現行犯逮捕された鳥取県智頭(ちづ)町、上野俊彦容疑者(37)経営の会社=同町=が開いていた。
大麻所持容疑、元町職員を逮捕 鳥取で栽培法教わる
大豊町によると、山岸容疑者は地域活性化を手がける任期付き職員だったが、今年に入り、「(来年3月の)任期満了後も農業で自立して町に残りたい」として、智頭町での大麻栽培の講習受講を希望。3~5月に4回、公用車を使って通い、町が宿泊費など計7万6千円を負担したという。
講習は上野容疑者が経営する「八十八(はちじゅうはち)や」が鳥取県から産業用大麻の栽培許可を受け、年間コースで開いていた。上野容疑者は今月4日、乾燥大麻88グラムの所持容疑で現行犯逮捕された。
受講者のうち、近畿厚生局麻薬取締部が今月、ほかにも岡山県真庭市の非常勤職員(34)と30代の男数人を同容疑などで逮捕したという。四国厚生支局麻薬取締部によると、山岸容疑者は今月4日、大豊町の自宅で乾燥大麻3・4グラムを所持した疑いがあり、既に同罪で起訴された。自宅敷地内で大麻草5株が押収されており、同取締部は栽培容疑でも追送検する方針。
岩崎憲郎・大豊町長は朝日新聞の取材に「町民に対して非常に大きな責任を感じている」と述べた。