政府は24日、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長=今井敬・経団連名誉会長)の初会合の議事概要を首相官邸のホームページで公開した。初会合で、出席者からは国民的な理解を重視する意見が相次いだ。
政府は、生前退位の意向をにじませた天皇陛下のお気持ち表明をめぐり、今井氏や御厨貴・東大名誉教授、宮崎緑・千葉商科大教授ら6人による有識者会議を設置。初会合は17日夕、安倍晋三首相も出席して首相官邸で開かれた。
議事概要によると、自由討議では「予断を持つことなく、国民と一緒に考えていくための土俵を作ってくことが必要」「様々な専門家の意見をしっかり伺い、総体としての国民の意思に沿った解決策を模索していきたい」など国民目線で議論を進めるべきだとの意見が出た。「ご高齢となった陛下のご事情に鑑みる時、慎重さを旨としながらもスピード感を持って検討を進めることが重要」と指摘する出席者もいた。
ただ、議事概要は、今井氏と御厨氏が初会合後の記者会見で「かいつまんで」紹介した内容とほぼ同じ。これについて、菅義偉官房長官は24日の記者会見で「当日の主要な議論を網羅したもの。議論の概要について情報発信に努めている」と強調。発言者を明らかにしない理由は「静かな環境で議論を進めていくことが大事」とした。
有識者会議は、皇室制度や歴史に詳しい専門家十数人にヒアリングを実施する方針で、27日の第2回会合で人選を行う。ヒアリングは11月上旬~下旬、非公開で3回行う予定。