おぎようこさんと作品=大阪府吹田市
障害者は生きていい――。相模原市の障害者施設で入所者19人が殺害された事件を受け、そんなメッセージを伝える展示会「墨あそび詩(ことば)あそび土あそび」が11月3日、大阪府豊中市新千里東町1丁目の千里公民館で開かれる。
主催は、墨で絵や言葉をはがきにつづっている同府吹田市のおぎようこさん。生まれつきの弱視で、交通事故の影響で足が動かず、車いすで生活している。相模原の事件で殺人などの容疑で送検された元施設職員の男が「中学の同級生に障害者がいて不幸だと思った」「家族と離れ、職員と意思疎通ができない障害者は生きていても仕方がない」などと話していると知り、「言葉にならないくらいの悲しみや怒りを感じた」という。
しゃがみこむ人の影や、怒りながら「やめてやめて」と訴える人を、はがきに墨で描いた作品など約100点を展示。被害者の悲しみや偏見への抗議を表現した。おぎさんは「障害者は生きていい。世の中に必要な存在で元気に生きていけることを、作品を通じて感じてほしい」と話す。
当日は午前10時~午後3時。入場無料。会場には、筋肉が衰える難病で人工呼吸器をつけて生活している兵庫県尼崎市の平本歩さん(30)の絵本、吹田市内の障害者施設に通う人たちの色紙も並ぶ。(吉川喬)