東京都目黒区の会社員中元志織さん(24)が行方不明になっている事件で、死体遺棄容疑で逮捕された元交際相手の男(50)が、調べに「借金の話をするために待ち伏せし、けんかになったので殺した」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。ただ、中元さんには借金をしていたとの認識がなく、警視庁が背景を調べている。
男は住所不定、無職佐賀慶太郎容疑者。9月17~20日、中元さんの遺体を川に遺棄した疑いがある。遺体は見つかっていない。
捜査関係者によると、佐賀容疑者は事件直前の9月16日夜、中元さんが住むマンションの住人に紛れてオートロック内に入って待ち伏せし、午後11時ごろ、帰宅した中元さんに声をかけた。この際、佐賀容疑者は女性用のかつらを身につけ変装していたという。
佐賀容疑者は8月、中元さんに「交際時にかかった200万円を返せ」との内容証明を送ったが、身に覚えのない中元さんは送り返していた。佐賀容疑者は調べに「身に覚えがないというので、本意か聞きたかった」と話しているという。
佐賀容疑者は中元さんの部屋で中元さんを殺害し、遺体を切断したと説明しているが、室内からは微量の血液反応しか検出されなかった。佐賀容疑者が洗浄用の薬剤や清掃用具を複数購入していたことから、同庁は遺体を切断した後に薬剤で入念に掃除をして証拠隠滅を図ったとみている。