遺体捜索現場
堺市北区に住民票がある梶本樹李(たつき)ちゃん(4)が行方不明になっている事件で、父親で鉄筋工の梶本卓(すぐる)容疑者(35)=詐欺容疑で逮捕=が、「(息子は)昨年12月に死んだ。遺体は1人で車で運び、投げ捨てた」と供述していることが、大阪府警への取材でわかった。府警は4日、供述に基づき、奈良県御所(ごせ)市の山中を捜索したが、遺体は見つからなかった。5日も朝から捜索する。
堺市の不明男児を捜索 父親「山中に遺体投げ捨てた」
捜査員ら、草かき分け崖の底へ 堺の不明男児捜索
捜査1課によると、卓容疑者は先月、樹李ちゃんの児童手当などを詐取した容疑で逮捕された直後には「階段から落ちて死んだ。海に捨てた」と供述していた。だが最近、大阪・奈良の府県境の山中に捨てたと説明を一変。昨年12月、大阪府松原市の自宅の階段から落ち、「翌朝死んでいた」と供述し始めた。
卓容疑者は昨年末、堺市に転居し、遺体はこのマンションに隠していたという。遺体のにおいが強くなったため「今年5月下旬、ブランケットか毛布、薄手の布団に包み、1人で車で運んだ」と供述。捨てる場所を探して車で走っていた夕方ごろ、「たまたま通りかかり、捨てやすそうだと思った」として、道路から投げ捨てたと説明した。
一方、同じ詐欺容疑で逮捕された母親の無職千穂容疑者(32)は「昨年のクリスマスごろに夫が息子をどこかに連れていったまま分からない」との説明を続けており、卓容疑者も、樹李ちゃんの遺体を「隠していたことも捨てたことも、千穂(容疑者)は知らない」と話しているという。
府警は4日午後4時半までの8時間半、30人態勢で大阪府千早赤阪(ちはやあかさか)村から奈良県側に約200メートル入った御所市の山中を捜索。遺体は見つからなかったが、ずぶぬれで汚れた布団を見つけた。府警は、これが遺体を包んだものなのか、DNA型鑑定などで調べる。5日も午前9時から範囲を広げて約30人態勢で捜索する。