千葉市は、職員向け規則の解釈を広げ、同性パートナーがいる市職員が「結婚」休暇と介護休暇の制度を使えるようにする。来年1月からの運用開始を目指している。LGBT(性的少数者)が働きやすい環境づくりのために同様の制度を導入する民間の動きはあるが、行政の職員向けの取り組みとしては珍しいという。
関係者によると、法律婚や「事実婚」の職員と同様に、同性パートナーがいる職員も、「結婚」休暇やパートナーやその親の介護時の休暇を使えるようになる。パートナー関係であることは、公正証書などを提出してもらって確認するという。
今年に入り、日本IBMやパナソニックなどが同性パートナーがいる従業員向けに類似の制度に着手したが、行政が職員向けに運用する制度としては珍しいという。岐阜県関市でも、同性パートナーがいる職員に家族手当を支給するなどの環境整備を検討している。
東京都渋谷区と世田谷区が、同性カップルを「パートナー」と認める制度を始めてから今月で1年。ゲイであることを公にしている東京都豊島区議の石川大我さんは「この1年、自治体が変わることで民間企業の意識が変わることを実感した。千葉市の当事者に寄り添った運用が、他自治体や民間にさらに広がっていくといい」と話している。(湊彬子、木村浩之)