9日の東京株式市場で、日経平均株価が急落し、下げ幅は一時1000円を超えた。開票作業が続く米大統領選で、共和党のトランプ氏が優勢との報道を受け、投資家がリスクを避ける動きが強まった。終値は前日より919円84銭(5・36%)安い1万6251円54銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同62・33ポイント(4・57%)低い1301・16。出来高は38億1千万株。上海などアジアの株式市場も軒並み下落している。
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【特集】米大統領選2016
日経平均、一時1000円超下落 トランプ氏優勢報道で
東京外国為替市場では、リスクが低いとされる円が買われ、円高が急激に進んだ。朝方は1ドル=105円台で取引が始まったが、トランプ氏が優勢と伝わるにつれて円高が進行。午後には一時、1ドル=101円台前半と約1カ月ぶりの円高水準をつけた。
8日のニューヨーク株式市場では、民主党のクリントン氏が優勢との見方から、ダウ工業株平均が上昇。東京市場もその流れを引き継いで取引が始まり、日経平均は一時、前日終値を250円超上回った。
だが、開票が進み、激戦州のフロリダ州などでトランプ氏が勝利したとの報道が流れると、経済政策を見通しにくいトランプ氏の当選への警戒感から、日経平均は下げ幅を広げた。市場では、「(6月の英国の国民投票でEU離脱が決まり、日経平均が1日で1200円超下落した)『ブレグジット』相場の再来だ。クリントン氏当選を前提に買っていた投資家が一斉に売りに出た」(大手証券)との声が出ている。