90人が犠牲になったコンサートホール「ルバタクラン」=11日、パリ、ソフィー・デュピュイ撮影
イスラム過激主義者らが130人の命を奪ったパリ同時テロから13日で1年を迎える。惨劇に見舞われたカフェやレストランには市民が集い、コンサートホールも再開する。日常を取り戻しても心の傷はなお癒えず、イスラム教徒らへの偏見も残っている。
自動小銃の乱射などで90人が犠牲になったホール「ルバタクラン」は12日夕、英ロック歌手スティングさんの公演で営業を再開する。「パリの文化や暮らしをずっと映してきた。よみがえる」。昨冬にいちはやく店を開けたカフェバー「ボン・ビエール」は「これまでも、これからも店はある。同じところに立ち止まっていたくない」(担当者)という。
市民は痛みを抱えて暮らす。銀行員のローラン・モナンさん(51)は朝夕、襲撃された別のカフェの前を通る。「穴が開いた壁を思い出す。心が締めつけられる」。近くのワイン店主も「もう話したくない」。来店客は落ち込んだままだ。
テロは、過激派組織イスラム国…