プミポン国王の一般弔問には全国各地から毎日約3万人が訪れている。数時間待ちの状態が続く=12日午後0時40分、バンコクの王宮、大野良祐撮影
タイのプミポン国王の死去から13日で1カ月になる。しかし、新国王は即位せず、空位のままというタイでは異例の状態が続いている。軍主導の最高機関、国家平和秩序評議会(NCPO)は王位継承に関する言論を厳しく統制し、国民は沈黙を強いられている。
「ストップ、不適切なメッセージ」。国王の死去後、大手インターネットプロバイダーは利用者に「ソーシャルメディア上に不適切なメッセージを見つけたらそれぞれの運営者に通報を」というメールを繰り返し送っている。国家放送通信委員会の指導だとしている。警察によると、国王死去後、28件の不敬容疑の告発があった。
この1カ月間、テレビは国王追悼番組を放送し続け、新聞も王宮での儀式や弔問の様子を伝えることに終始。メディア関係者によると、NCPOは主要各社に王位継承に関する報道を控えるよう要請したという。記者の一人は「法的な継承手続きすら報じるのをやめた。過剰統制、過剰自粛だ」と困惑する。
いつまで続くかわからない国王…