共和党下院議長のポール・ライアン氏=ロイター
米共和党下院議員団は15日、党で公職の最高位である下院議長候補に現職のライアン下院議員(46)を指名することを全会一致で決めた。ライアン氏は大統領選中、過去のわいせつ発言が暴露されたトランプ氏を批判して対立。一部議員から反発もあったが、トランプ氏との融和路線にかじを切ったことが評価された。
10日の大統領選と同時に行われた連邦議会選で、共和党が下院で過半数を制したことから、ライアン氏は来年1月の新議会冒頭で正式に選出される見込み。トランプ氏が公約に掲げた不法移民対策や大規模なインフラ投資といった、これまでの共和党の方針と相いれない政策をどのように実現していくか指導力が問われそうだ。
大統領選終盤の10月上旬、トランプ氏の「わいせつ発言」のテープが暴露されたのを受け、ライアン氏は「擁護しない」と表明。トランプ氏もライアン氏を「無力で無能な指導者」と批判して敵対した。これを受け、トランプ氏支持派の議員からライアン氏の再選に反対する声があった。
しかし、トランプ氏勝利後の今月10日、両者は会談で協力していくことで一致した。ライアン氏は15日、記者団に対し「トランプ氏と協力して新政権を成功させる」と強調した。(ワシントン=峯村健司)