ニュージーランド(NZ)議会は15日、環太平洋経済連携協定(TPP)関連法の採決を行い、61対57で可決した。国家元首の英女王の代理であるレディー総督が近く署名し、批准される。
地元の報道などによると、TPP関連法案を支持したのはキー首相率いる国民党と2少数政党。最大野党の労働党や緑の党などは、トランプ米次期大統領が「TPP離脱」の立場であることを理由に、「TPP合意は停止状態。時間の無駄だ」などとして反対票を投じた。
可決に必要な3回の法案審議のうち、最も重要な2回目が行われたのは今月3日。野党側は交渉過程の不透明さや格差拡大の恐れなどを指摘し、与野党間で激しい議論が続いていた。
マクレー貿易相は可決後、「世界に不確実さがあるなか、貿易交渉の成果は、NZの一貫性と信頼性のある声として周知に値する。TPP発効までに障害がまだあると認識しつつ、米国の新政権が貿易課題を考慮するための時間を与える必要がある」との声明を出した。(シドニー=郷富佐子)