引き上げられた重さ約16トンもの災害がれき=気仙沼市魚市場前
宮城県の気仙沼港の市魚市場付近で16日、重さ約16トンもの巨大な災害がれきが引き揚げられた。東日本大震災から5年8カ月が過ぎての「出現」に、漁業関係者も驚いている。
がれきは長さ約20メートル、幅約5メートルの構造物。木材で組み上げられ、レールがついている。造船所施設の一部とみられ、陸上で解体し、処分する。
この日は朝からクレーンを使って作業を開始。約1時間後、巨大がれきが海中から姿を見せ始めると、見守った気仙沼漁協職員から「オー」と声が上がった。あまりの重さに、台船へ移すだけでさらに約1時間かかった。漁協職員は「いまだにこんな大きながれきが残っているものだ」。
県によると、7日、港町岸壁(がんぺき)でいかりを上げようとした漁船が何かを引っかけた。約500メートル離れた魚市場前まで引っ張ったが、重すぎて引き揚げを断念。船の着岸に影響が出る恐れもあるため、県がその日のうちに専門業者に頼んだが、仕切り直しとなっていた。(佐々木達也)