日本のコンタクトレンズの草分けの一つとされ、「ニチコン」のブランドで知られる日本コンタクトレンズ(名古屋市)が15日、民事再生法の適用を名古屋地裁に申請した。使い捨てレンズへの対応が遅れたのが一因で、負債額は約19億円。事業は続ける。
1964年設立。創業者で故人の水谷豊氏は、これに先立つ50年、ハードのコンタクトレンズを自前で完成させた。業界団体の日本コンタクトレンズ協会によると、メニコン(名古屋市)の創業者と共同研究に取り組み、コンタクトレンズの日本国内での普及に一役買った。
信用調査会社の帝国データバンクによると、売上高はピークの96年2月期には約40億円あったが、2016年2月期には約20億円まで減った。
素材が硬く、洗って繰り返し使うハードレンズに強かったが、使い捨てソフトレンズを得意とする米ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの外資系に国内市場を奪われた。日本コンタクトも販路を広げようと13年には同業者のアイミーを買収。近年、使い捨ても売り始めたが、売り上げは戻らなかった。(友田雄大)