千葉県四街道市の民間団体が現金を不正に受け取って特別養子縁組をあっせんした疑いがあるとして、県警が団体の関係先を児童福祉法違反(営利目的の養育あっせん)の疑いで家宅捜索していたことが、捜査関係者への取材で分かった。
団体は「赤ちゃんの未来を救う会」で、登記簿によると9月22日に解散。11月8日付で事業の廃止届が県に提出されているという。
県や捜査関係者によると、同会は昨年2月にホームページを開設し、育ての親(養親)の希望者と生みの親を仲介する事業を開始。今年2月、養親を希望する東京都の夫婦に「優先順位が2番目になる」などと説明し、4月に現金100万円を受け取った。5月にも「来月出産予定の子どもがいる」として125万円を受け取ったという。
夫婦は6月に乳児を引き取ったが、生みの親が「最終的な同意の確認がなかった」と県に相談し、7月に戻された。県は、優先して紹介する費用として現金を受け取ったことなどが社会福祉法で定める「不当な行為」にあたるとして、9月27日に全国初とみられる事業停止命令を出していた。
県警は、団体が受け取った現金の一部が人件費や交通費などの必要経費ではなく、営利目的の疑いがあると判断。押収資料を分析して実態解明を進めている。