長崎大が建設を計画する、危険度が最も高い病原体を扱う「バイオセーフティーレベル(BSL)4」実験施設について、政府は17日の関係閣僚会議で、国策で進める方針を確認した上で、安全確保を国が主導し、長崎大による取り組みを第三者機関でチェックする方針も決めた。
最高危険度の病原体研究施設、建設検討 安全面どう対応
ウイルスや細菌を扱う「BSL4」施設って?
同会議がまとめた文書では「世界最高水準の安全性」を備えた施設建設のため、文部科学省が必要な支援をすることを明記。周辺住民に安全面への不安があることを念頭に、長崎大の取り組みを第三者がチェックする「施設運営監理委員会」(仮称)を作り、安全性を確保するという。重大事故に備え、厚生労働省や警察とも連携を強化、国立感染症研究所も助言する。
国内のBSL4施設は、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)にあり、長崎大の計画が2カ所目。建設予定地の大学キャンパスが住宅地に近く、安全性への不安が根強い。そのため長崎県や長崎市が政府に、安全性確保の仕組みに政府が関与することなどを求めていた。