プレオープンした商業施設「築地魚河岸」=19日午前、東京都中央区、西畑志朗撮影
東京都中央区の築地市場の隣接地に、商業施設「築地魚河岸」が19日、開業した。築地市場の豊洲移転後の地域活性化を目的に計画された生鮮市場。だが、移転の延期でこの日は「プレオープン」との位置づけ。築地市場との競合が最短でも1年続くことになり、ほろ苦いスタートとなった。
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築地市場の豊洲移転問題
区が築地場外市場に約35億円をかけて整備した延べ床面積計約7500平方メートルの2棟に、水産と青果の仲卸ら計55業者が出店する。観光客も入れるが午前5時の開場から同9時まではプロの仕入れが優先。売り手と買い手双方の目利きが培ってきた「築地ブランド」の技継承もめざす。
出店する業者の大半は築地市場にも店舗を構えており、移転延期後、2業者が出店をやめたという。築地魚河岸事業協議会の楠本栄治理事長は「すべて想定外。不安がないと言えばうそになるが、いずれ築地は移転する。並走期間に地元のプロから選ばれる魚河岸に育て上げ、豊洲移転時に真のオープンを迎えたい」と話す。この日は正午から開業式典があり、矢田美英区長らと共にテープカットして施設の成功を祈った。(西本ゆか)