自白調書を証拠採用しない決定を出した大阪地裁=大阪市北区 覚醒剤取締法違反(営利目的輸入未遂)などの罪に問われている男性被告(54)の裁判員裁判で、大阪地裁(浅香竜太裁判長)は18日、捜査段階の自白調書を証拠採用しない決定を出した。男性は「否認を続ければ内妻を犯人隠避容疑で逮捕すると言われた」と主張。大阪府警の警察官は否定したが、取り調べ段階の録音録画はしておらず、大阪地裁は自白の任意性に疑いが残ると判断した。 男性は2010年7月に複数の知人と覚醒剤を密輸しようとしたとして、15年夏に逮捕、起訴された。今月15日に始まった裁判員裁判で、男性は「荷物は何らかの違法薬物だとは思ったが、覚醒剤ではないと思った」と主張。しかし、逮捕後の府警の調べに対し、「覚醒剤と思った」と認めたとされ、検察官調書1通を証拠採用するかどうかが争点になっていた。 公判では「『内妻を逮捕する』と言われて自白した」という男性の説明について、担当した警察官が「『内妻を逮捕する』とまでは言っていない」と証言した。 大阪地裁は当時のやりとりを裏付ける証拠がないうえ、取り調べに立ち会った大阪税関職員の証言と警察官の説明が食い違う部分があると指摘。さらに取り調べ内容を書いた男性のノートに「もうどうでもいいや、外にいる人(内妻)も守ってやらないと」と残されていたことから、検察側の証拠請求を退けた。 今年5月成立の改正刑事訴訟法は、裁判員裁判の事件での録音録画を義務付け、付帯決議では対象外事件でも積極的に実施するとしている。関西学院大法科大学院の川崎英明教授(刑事訴訟法)は「施行を待たずに一歩進めようという考えが裁判所に浸透しつつあるのではないか」と指摘。「任意性が争いになった時は録音録画が必要という裁判所のメッセージ。大変インパクトがある妥当な決定だ」と話した。(阿部峻介) |
自白の任意性に疑い 捜査段階の調書採用せず 大阪地裁
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