安倍首相とトランプ氏の会談を前にトランプ・タワーで重装備で警備する警察官=17日午後、ニューヨーク、矢木隆晴撮影
トランプ次期米大統領と安倍晋三首相が会談したニューヨークのトランプ・タワー。中は日米の報道陣でごった返し、入り口は重装備の警察が目を光らせ、通りを隔てて「反トランプ」デモの人々が並ぶという異様な光景が広がった。
「信頼できる指導者と確信」安倍首相、トランプ氏と会談
特集:ドナルド・トランプ氏
17日夕(日本時間18日朝)、タワー南側の一方通行の道路を、パトカーに先導された安倍首相の車列が逆走して入ってきた。首相はタワー前で車から降りると、警護官や秘書官らに囲まれながら足早に中に入った。タワー前ではライフル銃など重武装の警察官が警備。臨時の監視台も設置された。
クリスマス商戦が始まり華やかな5番街で、多くのテレビクルーが中継。米メディアは、トランプ次期大統領の当選後、初の外国首脳との会談とあって速報。CNNは前日から「トランプ氏、日本の首相と会談へ」と報道。会談後、「米国と日本は信頼関係を維持できる、と安倍首相。トランプ氏との会談後に」などとホームページ上で流した。
米経済紙ウォールストリート・ジャーナルは、ホームページのトップに会談を掲載。「トランプ氏にとって選挙後、初めての外国の首脳との対面会談」「会談で安全保障について議論した」などと伝えた。
近くの路上では数十人がトランプ氏への抗議デモを行った。「トランプは我々の大統領ではない」「米国人は安倍晋三を歓迎しない」と書いたプラカードを持って立つ中国系の女性もいた。
この女性は2人の会談を知り、タワー前にやってきた。トランプ氏の主張には「移民やマイノリティーを差別する言動は許せない。この国はどうなってしまうのか」と語った。安倍首相にも「中国や韓国に友好的な態度とはいえない」と話した。(ニューヨーク=木村健一、金成隆一)